電気通信事業法の適用除外規定

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電気通信事業法の適用除外

適用が除外される電気通信事業(法第164条第1項)

電気通信事業を営もうとする者は、原則、「届出」か「登録」の手続きが必要ですが、例外的に次の場合は電気通信事業法の適用が除外され手続きが不要とされています。 電気通信事業法第164条

(適用除外等)
第百六十四条 この法律の規定は、次に掲げる電気通信事業については、適用しない。
 一 専ら一の者に電気通信役務(当該一の者が電気通信事業者であるときは、当該一の者の電気通信事業の用に供する電気通信役務を除く。)を提供する電気通信事業
 二 その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(これに準ずる区域内を含む。)又は同一の建物内である電気通信設備その他総務省令で定める基準に満たない規模の電気通信設備により電気通信役務を提供する電気通信事業
 三 電気通信設備を用いて他人の通信を媒介する電気通信役務以外の電気通信役務(次に掲げる電気通信役務(ロ及びハに掲げる電気通信役務にあつては、当該電気通信役務を提供する者として総務大臣が総務省令で定めるところにより指定する者により提供されるものに限る。)を除く。)を電気通信回線設備を設置することなく提供する電気通信事業
 イ ドメイン名電気通信役務
 ロ 検索情報電気通信役務
 ハ 媒介相当電気通信役務
2 この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 一 ドメイン名電気通信役務 入力されたドメイン名の一部又は全部に対応してアイ・ピー・アドレスを出力する機能を有する電気通信設備を電気通信事業者の通信の用に供する電気通信役務のうち、確実かつ安定的な提供を確保する必要があるものとして総務省令で定めるものをいう。
 二 ドメイン名 インターネットにおいて電気通信事業者が受信の場所にある電気通信設備を識別するために使用する番号、記号その他の符号のうち、アイ・ピー・アドレスに代わつて使用されるものとして総務省令で定めるものをいう。
 三 アイ・ピー・アドレス インターネットにおいて電気通信事業者が受信の場所にある電気通信設備を識別するために使用する番号、記号その他の符号のうち、当該電気通信設備に固有のものとして総務省令で定めるものをいう。
 四 検索情報電気通信役務 入力された検索情報(検索により求める情報をいう。以下この号において同じ。)に対応して当該検索情報が記録されたウェブページのドメイン名その他の所在に関する情報を出力する機能を有する電気通信設備を他人の通信の用に供する電気通信役務のうち、その内容、利用者の範囲及び利用状況を勘案して利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定める電気通信役務
 五 媒介相当電気通信役務 その記録媒体(当該記録媒体に記録された情報が不特定の者に送信されるものに限る。)に情報を記録し、又はその送信装置(当該送信装置に入力された情報が不特定の者に送信されるものに限る。)に情報を入力する電気通信を不特定の者から受信し、これにより当該記録媒体に記録され、又は当該送信装置に入力された情報を不特定の者の求めに応じて送信する機能を有する電気通信設備を他人の通信の用に供する電気通信役務のうち、その内容、利用者の範囲及び利用状況を勘案して利用者の利益に及ぼす影響が大きいものとして総務省令で定める電気通信役務
3 第一項の規定にかかわらず、第三条及び第四条の規定は同項各号に掲げる電気通信事業を営む者の取扱中に係る通信について、第二十七条の十二、第二十九条第二項(第四号に係る部分に限る。)、第百五十七条の二、第百六十六条第一項、第百六十七条の二、第百八十六条(第三号中第二十九条第二項に係る部分に限る。)及び第百八十八条(第十七号中第百六十六条第一項に係る部分に限る。)の規定は第三号事業を営む者について、それぞれ適用する。
4 認定送信型対電気通信設備サイバー攻撃対処協会が行う第百十六条の二第二項第一号に掲げる業務が電気通信事業に該当しない場合においても、認定送信型対電気通信設備サイバー攻撃対処協会が行う同号ロの通知は、電気通信事業者の取扱中に係る通信とみなして第三条及び第四条の規定を適用し、認定送信型対電気通信設備サイバー攻撃対処協会が行う同号に掲げる業務に従事する者は、電気通信事業に従事する者とみなして同条第二項の規定を適用する。
5 認定送信型対電気通信設備サイバー攻撃対処協会が取り扱う第百十六条の二第二項第二号ロの通信履歴の電磁的記録は、電気通信事業者の取扱中に係る通信とみなして第三条及び第四条の規定を適用し、認定送信型対電気通信設備サイバー攻撃対処協会が行う同号に掲げる業務に従事する者は、電気通信事業に従事する者とみなして同条第二項の規定を適用する。

専ら一の者(電気通信事業者たる一の者を除く。)に電気通信役務を提供する電気通信事業(電気通信事業法第164条第1項第1号)

親会社が子会社一社のみに電気通信役務を提供する場合など専ら一の者に電気通信役務を提供する場合は届出・登録の手続きなどが除外されます。

ただし、その子会社が電気通信事業者である場合はこの除外規定の適用はありません。

その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(これに準ずる区域内を含む。)又は同一の建物内である電気通信設備により電気通信役務を提供する電気通信事業(電気通信事業法法第164条第1項第2号)

同一構内(これに準ずる区域内を含む。)又は同一建物内に電気通信設備を設置して、同一構内又は同一建物内に閉じる電気通信役務を提供する場合[2-1]は届出・登録の手続きなどが除外されます。

「構内」とは、障壁、堀、道路、水路など明確な表示物によって他と区別された一定の区域内で地続きであるものをいい、「これに準ずる区域内」とは、水路、生垣等で隔てられていても、社会通念上一つの区域内とみなされるような場所をいいます[2-1][3][7]

「構内」又は「これに準ずる区域内」といい得るためには、必ずしも同一の者の占有に属していることが必要ではなく、また、船舶、航空機その他の移動体内でも構内と解されますが、公衆地下街や工業団地のように多数のものが出入りし、また、社会通念上一つの区域と考え難いものは除かれます[7]

「建物」とは、建築基準法で規定する「建築物」と同義であり、「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むもの」です[7]

建物内には、それに附属する門、堀、バルコニーや建物の地下部分が含まれますが、地下街のアーケードのように、たとえ通路でつながっていても、建物の地下部分外とみられる場所は含みません[3][7]

ただし、当該電気通信設備と他事業者の電気通信設備を接続等して、同一構内又は同一建物内に閉じない範囲まで料金設定し電気通信役務を提供する場合はこの除外規定には含まれません[2-1]

電気通信事業を営む者の設置する線路のこう長の総延長が五キロメートルに満たない規模の電気通信設備により電気通信役務を提供する電気通信事業(電気通信事業法第164条第1項第2号・電気通信事業法施行規則第59条)

実際に敷設された同軸ケーブルや光ファイバ等のこう長の総延長が5km未満の電気通信設備に閉じる電気通信役務を提供する場合[2-1]は届出・登録の手続きなどが除外されます。

「こう長」とは、敷設された長さに芯数をかける芯線長や敷設された長さに条(一定の芯数毎に芯線を束ねている被覆)数をかける条長ではありません[2-1]

通信ケーブルが外被に覆われた状態で測る長さを亘(こう)長といい、外被内に複数収容される芯線の長さの総和を延長と読んで区別します[8-1]

また、無線伝送路設備については、FWAといった固定通信役務に関するものは2地点間の距離をいい、携帯電話といった移動通信役務に関するものはここでいう線路からは除かれます[2-1]。

ただし、当該電気通信設備と他事業者の電気通信設備を接続等して、これを一体として、線路のこう長の総延長が5km未満の範囲を超えて料金設定し電気通信役務を提供する場合は含まれません[2-1]

電気通信設備を用いて他人の通信を媒介する電気通信役務以外の電気通信役務を電気通信回線設備を設置することなく提供する電気通信事業(電気通信事業法法第164条第1項第3号)

「他人の通信を媒介する電気通信役務」以外の電気通信役務を、電気通信回線設備(送信の場所と受信の場所との間を接続する伝送路設備及びこれと一体として設置される交換設備並びにこれらの附属設備)を設置することなく提供する場合[2-1]は届出・登録の手続きなどが除外されます。

ただし、電気通信回線設備を設置し電気通信役務を提供する場合は、他人の通信を媒介しなくても届出等が必要です[2-1]

例 各種情報のオンライン提供サービス(電気通信設備(サーバ等)を用いて、天気予報やニュースなどの情報データベースを構築し、その情報を、インターネットを経由して利用者に提供するサービス)[2-1][3]
電気通信役務の定義の「他人の通信」の概念には“自己と他人との間の通信”を含むところ、自己が構築したデータベースから利用者にインターネット経由で情報を提供することは「他人の通信」といえます。また、サーバという電気通信設備を用いていることから、電気通信役務の定義である「電気通信設備を他人の通信の用に供すること」に該当することになり、例の事例は電気通信役務といえます。
次に、他人(利用者)の需要に応ずるために電気通信役務(=インターネット経由での情報提供)を行っており、事業性も認められることから、「電気通信事業」の定義である「電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業」に該当することになり、例の事例は電気通信事業といえます。
しかしながら、自己と他人(利用者)との間の通信であり他人の通信を媒介していないことから(=他人の通信を媒介する電気通信役務以外の電気通信役務)、電気通信回線設備を設置していない場合には、法第164条第1項第3号の規定により、登録及び届出が不要な電気通信事業に該当します。[2-1]、[3]も結論は同旨。

参考文献・引用文献

[1] 電気通信事業参入マニュアル(総務省)
[1-1] 電気通信事業参入マニュアル 2016年6月版(総務省)
[1-2] 電気通信事業参入マニュアル 2019年5月版(総務省)
[1-3] 電気通信事業参入マニュアル 2019年9月版(総務省)
[1-4] 電気通信事業参入マニュアル 2021年4月版(総務省)
[1-5] 電気通信事業参入マニュアル 2021年10月版(総務省)
[1-6] 電気通信事業参入マニュアル 2023年8月版(総務省)

[2-1] 電気通信事業参入マニュアル[追補版]平成17年8月18日(総務省)

[3] 電気通信事業参入マニュアル[追補版](総務省)
[3-2] 電気通信事業参入マニュアル[追補版]平成29年6月23日(総務省)
[3-3] 電気通信事業参入マニュアル[追補版]令和元年5月22日(総務省)
[3-4] 電気通信事業参入マニュアル[追補版]令和元年10月1日(総務省)
[3-5] 電気通信事業参入マニュアル[追補版]令和4年6月28日(総務省)
[3-6] 電気通信事業参入マニュアル[追補版]令和5年1月30日(総務省)

[4] 電気通信事業参入マニュアル[追補版]ガイドブック(総務省)
[4-1] 電気通信事業参入マニュアル[追補版]令和4年4月14日ガイドブック(総務省)
[4-2] 電気通信事業参入マニュアル[追補版]令和4年6月28日ガイドブック(総務省)
[4-3] 電気通信事業参入マニュアル[追補版]令和5年1月30日ガイドブック(総務省)

[5-1] 電気通信関係法詳解 上巻 電気通信関係法コンメンタ-ル編集委員会編 昭和48年(一二三書房)
[5-2] 電気通信関係法詳解 下巻 電気通信関係法コンメンタ-ル編集委員会編 昭和48年(一二三書房)

[6-1] 改正電気通信事業法逐条解説 多賀谷一照・岡崎俊一編著 平成17年(電気通信振興会)

[7] 電気通信事業法逐条解説(電気通信振興会)
[7-1] 電気通信事業法逐条解説 多賀谷一照ほか編著 平成20年1月30日初版(電気通信振興会)
[7-2] 電気通信事業法逐条解説 多賀谷一照監修 令和元年5月22日第2版(電気通信振興会)
[7-3] 電気通信事業法逐条解説 多賀谷一照監修 令和6年6月12日再訂増補版(電気通信振興会)

[8-1] 実務電気通信事業法 嶋幹夫著 2015年3月26日(NTT出版株式会社)

総務省の電気通信事業参入マニュアル[追補版]は平成29年6月23日改版でそれ以前のものとフォーマット(書き振り)が大きく変わり内容の記載方法も変わっていますので、平成17年8月18日版と平成29年6月23日版以降のものは区別しています。
電気通信事業参入マニュアル[追補版]と電気通信事業法逐条解説は重複している部分が多く、どちらか一方の引用でも他の一方と内容が同じ場合があります。
異なる版間で記載に大きく変更が無いものは[3][7]のような注記にしています。

適用除外の例外(法第164条第3項)

電気通信事業法の適用が除外される電気通信事業を営む者の取扱中に係る通信についても、電気通信事業法第三条(検閲の禁止)及び同法第四条(秘密の保護)の規定は、適用されるので注意が必要です。


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所 在 地 東京都江東区石島8番7号 布施ビル1階
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